バナナフィッシュ実写化は実現不可能?作者「吉田秋生」の思惑
1985年~「別冊少女コミック」で連載され今でも根強い人気を誇る漫画「バナナフィッシュ」
あの「海街diary」でも記憶に新しい吉田秋生(よしだあきみ)先生が原作で、スケールの大きさや、当時では珍しいアメリカを舞台とした物語で話題になりました。
今回は何故?不動の名作と化した「バナナフィッシュ」が実写映画化されないのか?
吉田秋生先生はどう思っている?ということにふれていきたいと思います。
バナナフィッシュ・今後、実写映画化はされるかも?
今後実写映画化は「ある」可能性が高いです。
まず、主人公「アッシュ・リンクス」を演じる役者を吉田秋生先生がリバーフェニックス以外認めるか?というところ。
ハリウッド俳優「リバー・フェニックス」はその容姿と立ち振る舞いからハリウッドでも当時人気スターでした。
また、アッシュ・リンクスと同じように若い命を(薬物ではありますが)散らしていることで、よりバナナフィッシュの話に近い形で幕を閉じています。
日本の俳優さんでもアッシュ・リンクスを演じることができそうな容姿や立ち振る舞いができそうな方はいます。
しかし舞台がアメリカ・ニューヨークのダウンタウンなのでやはり日本人だと違和感が多少なりとも拭いきれません。
しかし、吉田秋生先生自体は自分の漫画が実写化されたりすることに対しては非常に肯定的な意見を出しています。
以前のインタビューでは…。
Q・『ラヴァーズ・キス』が映画化されますが、映画の作成にはどの程度関わっていらっしゃいますか? 配役やシナリオなど、吉田先生の意向はどの程度反映されているのでしょうか?
A・映画やTVなど、マンガ以外の表現については私はいっさい製作者にまかせます。それはもう他者の作品世界だしね。レストランに野菜を提供する産直農家のおばちゃん、てかんじ。ウマい料理を作るのも、マズいモンになるのもシェフの腕しだい。
引用:月刊フラワーズ・インタビュー
という感じ。
さらにバナナフィッシュの事を聞かれると…。
Q・りえさん他からです。『BANANA FISH』は私の読んだ漫画の中で最高の作品でした。作品が終了してから年月が経過していますが、現在振り返ってみて『BANANA FISH』は吉田先生にとってどのような作品ですか?
A・別れた男。…昔、愛したコトもあったわ。でももうあたしたちは終わったのよ。お互いいい思い出にしましょう。…なーんてな。(笑)でもずっと言われンだろーな「昔あいつとつきあってたろ?」ってな。
引用:月刊フラワーズ・インタビュー
おそらく今後、制作側から「お話」があれば実写化はされると思います。
いつになるかは不明ですが…。
吉田秋生先生の思惑
吉田秋生先生のことですから、おそらく「バナナフィッシュ・映画実写化!」と実際に話が上がってきたときはおそらく二つ返事でOKを出すでしょう。
これまでに「海街diary」など他の作品でもほぼスムーズに実写化されてきている経緯があります。
ただ、「バナナフィッシュ」のみ予定していた俳優の死去にともない、さらに契約の話で色々遅延が生じた、というだけの話だと思われます。
吉田秋生先生が言う通り「でももうあたしたちは終わったのよ。」ということで丸投げとは言わないまでもほとんど口出しなどはしない気がします。
やはり餅は餅屋という言葉を知っている吉田秋生先生。
ここは映像界の出方をうかがっているようにも思えます。
過去にハリウッドでの実写映画の話はあった!?
アニメ化は2018年7月~12月にされ「実写映画化」はされないのか?という声も多くあります。
しかしはや39年、もう半世紀近く経つというのに全く実写映画・ドラマ化の話が持ち上がってきません。
実は、漫画「バナナフィッシュ」の実写化の話は1993年にあったそうです。
当時、まだ「バナナフィッシュ」は連載中ですが、すでに物語は佳境に入りラストを迎えるところまで話が進んでいました。
物語は1994年の「別冊少女コミックス」の4月号で幕を閉じます。
1993年にすでに「ハリウッド版バナナフィッシュ」の契約締結がアメリカで終わりあとはスタッフなどを揃え、話をすすめるだけ…。
という所まで来ていたとのこと。
ですが、この話は「都市伝説」として噂の域をでません。
しかし、あながち「噂・都市伝説」ではないという信憑性も出てきました。
なぜなら、吉田秋生先生が主人公・アッシュ・リンクスのモデルとして描いた俳優の
『リバー・フェニックス』の没年が1993年。
そして、吉田秋生先生が切望していた主人公アッシュ・リンクスの現モデルは「リバー・フェニックス」
憶測が飛び交いますが、リバー・フェニックス死去にともないこの話もとん挫した。
しかし、吉田秋生先生が「どうしても映画の実写はリバー・フェニックスでやりたい」ということで、契約はしたもののそのまま数十年の月日が流れた…。
ということです。
もしかしたらこれも想像ですが、契約書に「主人公アッシュ・リンクスの俳優はリバー・フェニックスのみとする」という文言があったのかもしれません。
真実は吉田秋生先生のみが知りますが、もしそうであれば相当「バナナフィッシュ」に強い思い入れや、主人公アッシュ・リンクスにこだわりがあったと見えます。
2024年1月、「セクシー田中さん」の漫画家・芦原妃名子さんが日本テレビとの脚本の相違をめぐり亡くなられたことを考えると、日本のテレビとの契約の違いが大きく違うことがわかりますね。
2018年にアニメ化された背景、理由
さらに2018年には全24話でアニメ化された「バナナフィッシュ」
1993年に最終回を迎えた「バナナフィッシュ」ですが30年以上も経って、何故?ということが頭によぎります。
単純に考えると「名作だから」
故・手塚治虫先生などの作品も未だに形をかえ題名を変えてアニメ化されています。
しかし「バナナフィッシュ」の場合どうも先の「アメリカとの契約」が関連しているようです。
実は2018年までアメリカで「バナナフィッシュの版権」が生きていたという説があります。
ここら辺の話はかなり難しい法律の話になりますが
吉田秋生先生が「バナナフィッシュ」の版権(二次著作に関する権利)をアメリカで締結していてそれまで触れることができなかったという説
つまり、バナナフィッシュのアメリカでの契約が切れたということで日本でアニメ化を決行したという事です。
何故いまだにバナナフィッシュは人気があるのか?
何故これほどまでに人気を獲得しているのか?
そして読まれるのか?
不朽の名作の人気の理由です。
ダブル主人公の魅力
30年近く経った今でも多くの人に読まれ、アニメ化もされるバナナフィッシュ。
バナナフィッシュは日本人の「英二」とアメリカ・ニューヨークのダウンタウンを根城に日々生き抜く「アッシュ」のダブル主人公での漫画。
「熱い友情!」というよりは、どこか「儚げ」で人の心情の琴線に触れる「友情」とも家族とも恋人ともとれるよな深いところで繋がっているような描写が魅力的です。
この話の本質自体「二人の友情と愛の物語」と言っても過言ではありません。
女性のファンが多いこともうなずけます。
当時のニューヨークのリアルな描写
吉田秋生先生の描くニューヨーク・ダウンタウンの雰囲気がリアル。
ということでも当時話題をさらいました。
現在もバナナフィッシュの聖地巡礼ということで未だにニューヨークの図書館・自然博物館を訪れる人も多いという。
現在は治安維持の問題でダウンタウンも当時とはくらべものにならないぐらいキレイになったそうです。
2021年に舞台での実写が公開
2021年にはなんと「舞台化」されています。
前編・後編に別れ、前編は2021年3月~後編は2022年1月~に公開。
気になるアッシュ・リンクス役は舞台俳優の水江 建太さんが演じています。
ちゃんとアッシュ・リンクスになってますね!
アッシュ・リンクスのモデル!リバー・フェニックスとは?
リバーフェニックス profile
生年月日 :1970年8月23日~1993年10月31日(23歳没)
出身地 :アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス
身長 : 178cm
代表作 :『スタンド・バイ・ミー』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』『スニーカーズ』
昭和生まれの人なら誰しもが「スタンドバイミー」という映画を知っていると思います。
子役から俳優になり、わずか23歳でその短すぎる生涯に幕を閉じた伝説のハリウッド俳優です。
当時の親友は「キアヌ・リーヴス」
今なお「ジョンウィック」シリーズ「マトリックス」で活躍する俳優。
リバーフェニックスの死因は「コカインの過剰摂取」
当時、ジョニー・デップが経営するバー(THEバイパールーム)を訪れたリバーフェニックスですが、そこでコカインの過剰摂取で倒れ搬送。
死亡しました。
また、彼については幼少の時に「カルト宗教」に所属していたなど特殊な経緯があり、謎が絶えない人物でもありました。
(※本人は否定していない。)
そういう知られざる一面がリバーフェニックスの魅力だったのかもしれませんね。
バナナフィッシュ実写映画化は実現不可能?作者「吉田秋生」がOKしない理由・まとめ
今、原作の脚本とテレビ局の脚本の問題が「セクシー田中さん」を皮切りに持ち上がっていますが、中には吉田秋生先生のように「もう全部制作側にまかせちゃう」という先生もいます。
しかし、それは漫画家先生が「映像化と原作は全く別物」という強い認識を持っていることが大前提で、さらに終わった後は「昔付き合ってた男」ぐらいに思えるか?
というぐらいの胆力やそれ以上の作品を生み出せる自信がないとできない発言。
現に吉田秋生先生は「海街diary」など他作品でも実績を出してますし。
芦原妃名子先生のように「自分の作品をそのままテレビにお届けしたい」という気持ちもわかりますが、「自分の手から離れたらそれはもう別物」という視点も大切だと思います。
これを機に今後実写映画・ドラマの方向性が変わるかもしれませんが、双方がもっともいい着地点を見つけることが大事ですね。
やはり、その漫画家さんの性格に大きく左右されるのかも知れませんが今後も実写映画・ドラマを楽しみにしたいと思います。